帯状疱疹とは
帯状疱疹は、皮膚の一部にピリピリとした痛みが生じ、その後に赤い発疹や水ぶくれが現れるウイルス性の疾患です。初期症状として発熱や倦怠感がみられることがあり、風邪と間違えやすいこともあります。原因は水痘・帯状疱疹ウイルスで、幼少期に水ぼうそうにかかった人の体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再び活動を始めて発症します。
症状が進行すると、神経に沿って水ぶくれが帯状に広がるのが特徴で、痛みを伴います。放置すると重症化しやすく、帯状疱疹後神経痛といった後遺症が残ることもあるため、早期の治療が重要です。特に50歳以上の方は発症リスクが高いため注意が必要です。
帯状疱疹の原因
水痘・帯状疱疹ウイルスは、初めて感染した際には水ぼうそうを引き起こします。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは神経節に潜伏し、何年、何十年という長期間にわたり休眠状態を続けます。しかし、加齢やストレス、疲労、免疫力の低下がきっかけとなり、ウイルスが再活性化すると神経を伝って皮膚に広がり、帯状疱疹を発症します。
日本人の成人の90%以上は水痘・帯状疱疹ウイルスを体内に持っているため、誰でも発症する可能性があります。一度発症すると、体内で抗体が作られるため再発は少ないとされていますが、まれに再発するケースもあります。
帯状疱疹の症状
帯状疱疹は、初期段階では皮膚の違和感やピリピリとした痛みが生じ、次第に痛みが強くなっていきます。その後、数日以内に赤い発疹が現れ、水ぶくれを伴うようになります。主に体の片側に帯状に広がるのが特徴ですが、重症化すると両側に広がることもあります。
また、顔に発症することもあり、目の周囲に現れると結膜炎や視力低下、耳に症状が出ると顔面神経麻痺や難聴を引き起こすことがあります。特にハント症候群(ラムゼイ・ハント症候群)と呼ばれる状態では、耳鳴りやめまい、味覚障害などの症状を伴うため、注意が必要です。
帯状疱疹になりやすい方
加齢によって免疫力が低下すると、帯状疱疹の発症リスクが高まるため、50歳以上の方は特に注意が必要です。また、免疫力の低下は加齢以外にも、ストレスや過労、風邪などの感染症によって引き起こされることがあります。
水ぼうそうを発症したことのある人は、誰でも帯状疱疹を発症する可能性がありますが、水ぼうそうの経験がない人は帯状疱疹のウイルスに感染すると、水ぼうそうとして発症します。
帯状疱疹の治療
内服
抗ウイルス薬
帯状疱疹の治療では、ウイルスの増殖を抑えるために抗ウイルス薬を使用します。発症後72時間以内に治療を開始することで、症状の重症化や後遺症のリスクを軽減できます。症状が軽いうちに適切な治療を受けることが重要です。
帯状疱疹の原因・発症のしくみ
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルスの一種)が体内で再活性化することによって引き起こされます。
通常は免疫力によってウイルスの活動が抑えられていますが、加齢やストレス、過労、病気などによって免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化し、神経を伝って皮膚に現れることで帯状疱疹を発症します。
日本人の成人の90%以上がこのウイルスを体内に持っているとされており、誰でも発症する可能性があります。特に50歳以上の方は免疫力が低下しやすく、発症率が高くなります。
帯状疱疹の合併症・後遺症
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の皮膚症状が治った後でも、神経が損傷された影響で痛みが長期間続くことがあります。これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。PHNの痛みはピリピリとした焼けるような痛みが特徴で、数ヶ月から数年にわたって続くこともあります。
この神経痛は、特に高齢の方や帯状疱疹の症状が重かった方に多くみられます。夜も眠れないほどの強い痛みを伴うことがあり、日常生活に大きな影響を与えます。痛みを軽減するためには、ペインクリニックなどの専門的な治療を受けることが推奨されます。
特に注意が必要な方
- 帯状疱疹の皮膚症状が重症である
- 60歳以上の高齢者
- 発症時に強い痛みがある
その他の合併症
耳に症状が現れると、耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などを引き起こすことがあります。ラムゼイ・ハント症候群といい、顔の麻痺やめまい、耳鳴りが長期間にわたって続くケースもあり、重症化すると生活に大きな支障をきたすため早めの診断と治療が必要です。