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やけど

やけどについて

やけどについてやけどは、日常生活の中で発生しやすい皮膚の損傷であり、熱湯や火、熱を帯びた金属、爆発による高温の影響で引き起こされます。また、化学物質による損傷(化学熱傷)や電流による電撃傷、放射線による皮膚の障害もやけどに含まれます。近年では、比較的低温の物体に長時間触れ続けることで発生する低温やけども増加傾向にあります。

特に電気毛布や湯たんぽ、カイロなどを長時間使用した際に発生することが多く、表面は軽症に見えても内部の組織に深刻なダメージを与えている場合があります。やけどは、発生した深さによって分類され、表皮にとどまるⅠ度、真皮に達するⅡ度、さらに皮下組織や骨にまで及ぶⅢ度の3段階に分けられます。

重症度は、やけどの範囲や部位、年齢、深さなどを考慮して判断されます。一見軽症に見えても、時間の経過とともに症状が悪化することがあるため、適切な応急処置を行った上で速やかに医療機関を受診することが重要です。

やけどの症状

やけどを負うと、患部に痛みや赤み、水ぶくれなどが現れます。症状の程度は、やけどの深さによって異なります。Ⅰ度のやけどは表皮のみが損傷し、赤みと軽い痛みを伴いますが、通常は跡が残らずに回復します。Ⅱ度のやけどは、真皮に及ぶため水ぶくれができ、強い痛みを伴うことが特徴です。Ⅲ度のやけどでは、皮膚の奥深くまで損傷が進み、神経が破壊されるため、逆に痛みを感じにくくなることがあります。

糖尿病の方や高齢者、アルコール摂取後に発生しやすいため、注意が必要です。

やけどの治療

初期治療

やけどを負った直後は、速やかに冷却を行うことが重要です。流水で15〜30分程度、患部を冷やすことで、熱が皮膚の奥まで浸透するのを防ぎ、ダメージを最小限に抑えることができます。衣服を着ている状態でやけどをした場合は、無理に脱がずにそのまま水をかけて冷やし、少し経ってから慎重に脱ぐようにしてください。氷水や冷却材を直接肌に当てると、逆に凍傷を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

受診後の治療

病院では、やけどの重症度に応じた治療が行われます。軽度のやけどには、抗生物質やステロイドの外用薬を使用し、炎症や感染を防ぎます。症状が中等度以上の場合は、抗生剤の内服が必要になることもあります。深いやけどや、広範囲に及ぶ場合には、皮膚の壊死部分を取り除くデブリードマン(壊死組織除去術)や、皮膚を移植する植皮手術が行われることもあります。高度な治療が必要な場合は、専門の医療機関を紹介し、適切な対応を行います。

色素沈着や傷あとの治療

軽度のやけどで生じる色素沈着は、時間の経過とともに徐々に薄くなります。しかし、紫外線の影響を受けると色素沈着が悪化するため、外出時には日焼け対策をしっかりと行いましょう。日焼け止めの使用や、長袖の着用が効果的です。また、やけど跡を薄くするために、トレチノインやハイドロキノンといった外用薬を使用することもあります。さらに、ビタミンCの内服は、皮膚の再生を助け、色素沈着を抑える効果が期待できます。傷跡のケアを適切に行うことで、やけどの痕が目立ちにくくなり、皮膚の健康を維持することができます。